里親に見せた初めての涙 心を開いて見つけた未来への希望 しかし…
実はユリアさん、両親が行方不明になったのは、自分のせいだと責め続けていたのです。

3姉妹の里親 リアシェンコさん
「ユリアが呼び鈴を聞いてドアを開けたら、銃を持った人が入ってきたそうです。父親は連れ去られ、妊娠中の母は、父親を追いかけたまま戻ってこなかったと…」
里子になってから、半年が経ったある日。
生まれ育ったドネツクが、ロシアから攻撃を受けたニュースを偶然見てしまったユリアさんは、初めて感情を露わにしました。
金属製のたらいを何度も殴りつけ、「私のせいだ」と泣き叫んだといいます。

3姉妹の里親 リアシェンコさん
「泣きながら暴れているユリアに近づいて、『両親は戻ってくるよ』と抱きしめました。そして、泣いたことがないユリアが初めて『ママ』って、『助けてくれるの?』と言ったのです」

心の奥底にしまいこんできた感情を吐き出したことを機に、ユリアさんは、少しずつ心を開くようになっていきました。
両親を失って、孤児になった子どもたちが集まるイベントにも参加。

大学にも進学し、孤児のイベントで交流を続けてきたウラディスラフさん(25)と、交際を始めました。
そして2人は、結婚を約束。未来への希望をつかもうとしていました。

そんな矢先の2022年2月24日。
ユリアさんにとっては、2度目の侵攻が起きたのです。