「“ロシア・バージョン1.0”の先に」

「ロシアは西側経済から、西側世界から追放されることで別の基盤で発展するチャンスを得ます。そのためにロシアには十分な資源があります。主に西側への原材料輸出に経済の基盤を置くことをやめ、国内の工業生産や科学技術を発展させるのです。 制裁の反ロシア連合に含まれていない国と緊密に協力するのです。これはソビエト連邦を復活させようとする試みではなく、国家が主導的な役割を持つ経済ということです」

侵攻に参加するロシア兵を英雄視するポスター モスクワ市内 2023年2月

「ロシアにとって、西側からの離脱はある程度はやむを得ない決定です。西側はロシアをその体制から追い出している。 経済、政治、スポーツ、文化。私が『ロシア・バージョン1.0』と呼んでいる、ソビエト連邦に続くロシアの最初の形。そこでは、西側は私たちのより近くにあり、私たちは常に西側の一部になりたい、西側のようになりたいと思ってきました。それが今では、予見可能な将来全体にわたって絶対に不可能であることが判明しました。西側は私たちをその世界から完全に排除しました。私の意見では、これはソ連崩壊後、共産主義システムが崩壊後に蓄積された多くの問題を解決するために使用できる、また使用すべき状況です。より効率的であるだけでなく、ロシアの精神にもっとふさわしい国内の新しいシステムの構築に使用すべきです。そして、外国との関係においても、ヨーロッパ人やアメリカ人ではなく、私たちが現在世界の多数派と呼んでいる国々、アジア、中近東、アフリカ、ラテンアメリカなどを優先した関係を作るべきです。こうした国内外の動きが、ロシアのさらなる発展につながる可能性があります」

(取材:モスクワ支局長 大野慎二郎)