ロシア軍に包囲されているウクライナの激戦地・マリウポリが、重大な局面を迎えています。ロシア軍は日本時間の19日夜、再びウクライナ兵に投降を要求しましたが、その期限が過ぎました。

■ロシア軍 攻撃本格化 ゼレンスキー大統領「我々は戦う」

「(ミサイルらしき飛行物体飛んでいく映像)」

ミサイルらしき飛行物体


YouTubeに投稿されたのは4月18日、上空を猛スピードで飛んでいくロシア軍のミサイルとみられる映像。西部のリビウに向けて発射されたものとしています。そのリビウでは自動車整備場が激しく燃え上がっていました。このほか、軍事施設なども攻撃を受け民間人7人が死亡、子ども1人を含む11人がけがをしたということです。

3歳の男の子
「そこを強く触らないで」

爆撃でけがをした3歳の男の子。

母親
「大きい爆発があって、窓ガラスが割れて、息子は指の半分が切断されました」


キーウ近郊のイルピンでは、何十もの新しい墓が掘られています。地元警察によると、イルピンでは269人が犠牲になり、市内には民間人がロシア軍に射殺されたいわゆる“処刑場“が7か所見つかったという事です。

ウクライナ・ゼレンスキー大統領(4月18日)
「ロシア軍は長い間準備してきた“ドンバスの戦い”を開始したと言える。ロシア軍の大部分がこの攻勢に集中している」

ゼレンスキー大統領は、ロシア軍が東部の完全制圧に向け、ドンバス地方での攻撃を始めたことを明らかにしました。

「(爆撃音)」

爆撃音が響き渡る、ドンバス地方ルハンシク州の町。住民女性が歩くすぐそばでも、インタビュー取材の途中でも爆撃音がすぐ近くで鳴り響いていました。

住民女性
「子どもたちを避難させて、ここにウクライナ軍が戦車を置きました。戦車が去るとすぐに、ロシア軍が家を攻撃しました」


またウクライナ国防省が4月18日に公開したドンバス地方の最前線、ドネツク州の映像にはウクライナ兵士が塹壕の中で電話をしたり、たばこをくわえながら話をする姿も映っています。

ウクライナ兵士
「ロシア兵はここに来たらみんなここに埋められることになる。来てもいいけど後悔するだけだ」

ロシア軍の本格的な攻撃にも迎え撃つ準備ができていると言います。一方、ロシアのラブロフ外相は・・・

ロシア・ラブロフ外相(4月19日モスクワ)
「作戦の新たな段階が始まっている」

ラブロフ外相は「東部、ドネツク・ルガンスク共和国の完全な解放を目指す」としてドンバス地方の制圧まで攻撃を続ける考えを示しました。