◆インフルエンザの重症化、子どもは「インフルエンザ脳症」に要注意

インフルエンザの流行が始まると、懸念させるのは、インフルエンザ脳症です。
ウイルスに免疫が過剰に反応してしまって脳に炎症が起きる状態で、主に10歳未満の子供に多く見られます。具体的な症状は、けいれん、意識障害と異常行動です。

2019年、推計で729万人インフルエンザが確認されています。
そのうちインフルエンザ脳症が確認されたのは254例、内訳をみるとインフルエンザA型にかかった人が226人で、89%を占めています。
年齢別では10歳未満の子供が71%で、子供に多く見られる症状だということがわかります。

◆心配な「インフルエンザ脳症」の見分け方

恵俊彰
「インフルエンザに関してはタミフル、リレンザなど特効薬がありますね?」

日本医科大学 北村義浩 特任教授
「感染がわかってから、すぐ薬を飲めばいいのですが、ちょっと遅れたりするとインフルエンザ脳症になることもあります。インフルエンザ脳症というのは発症してから、本当に短い時間、1日もしない間に起こってしまいます」
「ウイルスが体中を巡って脳に入って脳を攻撃してるのではなく、鼻や口、肺の上の方などに、ウイルスが入り込んで免疫系がびっくりする。
戦わなきゃいけないと、大々的に反応してしまった自分の免疫反応が脳を攻撃しているということですから、いない人をいると言ったり、お父さんお母さんもわからなくなったり、あるいは眠りこけてしまう、けいれんするとかの症状がでます。
インフルエンザの症状が重くなった場合は、いつもの子が病気で症状が重くなったという感じですが、脳症が始まると、“いつものうちの子じゃない”というふうになりますので、しっかりとお子さんを見ていただければ、気がつきやすいと思います」

◆発熱したら、どうする?

恵俊彰
「早めに検査をしてインフルエンザなのか確認して、インフルエンザの場合は特効薬があるんだから48時間以内にとにかく早めに飲むことが大事ということですか」

日本医科大学 北村義浩 特任教授
「おっしゃる通りです。ただ残念なことに、いわゆる鼻の中を綿棒で拭って、線が出る出ないという検査の場合は、熱が出たからといって慌ててお医者さん行っても、最初の12時間ぐらいは陰性になることが多いんです。検査キットの線が出る出ないだけを重要視すると治療が遅れてしまいます。ですから、症状からこれはもうインフルエンザに間違いありません、近隣でも流行ってます、あるいは学校のクラスでもずいぶん出てます、というように総合的に判断されて早めに治療されれば大丈夫だと思います」

恵俊彰
「流行り始めてますよということで、手洗いうがい等をやるってことですね」

日本医科大学 北村義浩 特任教授
「できるのであれば、ワクチンを打ってもらうとかなり防げると言われています」

弁護士・八代英樹
「民間でもコロナとインフルエンザの両方検査できるキットのようなものがありますよね」

恵俊彰
「その体制も早く整えていただきたいものですね」
(ひるおび 2022年12月23日放送より)