各地でインフルエンザの流行が始まったようです。新型コロナとインフルエンザの同時流行が現実味を帯びてきました。インフルエンザの流行にともない懸念されるのが、子どもたちに発症が多い「インフルエンザ脳症」です。

◆インフルエンザの流行期に突入か

インフルエンザの感染者数(東京都内の定点報告)をグラフで見てみると、2019年はコロナ禍前ということもあって感染が拡大しています。
ただ、一昨年、去年はコロナの感染症対策も功を奏して6人、4人と少なくなっています。ただ今年に限っては459人確認されています。
これは12月12日から18日の間に、定点観測をしている409の医療機関で、459人の感染が確認されたということです。459を409で割ると1.12という数字が出てきます。一つの医療機関でこれだけの人がインフルエンザに感染しているという数字です。

東京都はこの数字が1を超えるとインフルエンザが流行しているという見方を示しています。今回この1が超えましたので、3年ぶりにインフルエンザの流行が懸念されます。

全国でみると、12月12日から18日の1週間で、患者数「1.0人」以上の都道府県は6都県ありました。
<青森>1.25   <東京> 1.12
<岩手>2.84   <神奈川>1.05
<富山>1.33   <熊本> 1.14

日本医科大学 北村義浩 特任教授
「インフルエンザの特徴はお子さんがとにかくかかりやすい。お子さん同士でキャッチボールのように学校や保育園の中で広がり、それを家庭に持って帰って、家族に広がっていく。小学校はこれから冬休みに入って、これ以上広がることはなく、しばらくは収まるでしょうけれども、1月の2週目ぐらいから広がるとなると、1月中旬から下旬にかけて、定点あたり“100”行く場合も懸念される」

◆今年のインフルエンザの特徴

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 医師
「今年、流行りだしたインフルエンザAは、かなり体に強いダメージを与える可能性があります。インフルエンザとして重症化する患者さんが出てくるんではないかと懸念しています」

伊藤医師のクリニックでは12月13日〜20日の間、新型コロナウイルスの感染者が30人、インフルエンザの感染者が3人でした。インフルエンザの患者は全員A型だったということです。
伊藤医師によりますと、先週末から急激にインフルエンザ患者が増えていて、インフルエンザの流行が始まり、新型コロナの流行で解熱剤などが不足していることから深刻な薬の不足を心配しているということです。