26分台への練習として考えていることは?

――10000mの日本記録を出したことが、今後にどうつながりますか?
鈴木芽吹:
26分台が近づいて来た実感を得ることができました。今までは出せたらいいな、くらいだったものが、次は現実的に、本気で狙いに行ける感覚を持つことはできました。

世界陸上 男子10000m決勝

――そのための練習もイメージできていますか?
鈴木芽吹:
基本的にはそんな大きく変えるつもりはありませんが、例えば1000mを最低でもこれまでより数秒早く設定し、リカバリーは長くとりながら5本やったり、質の高い練習を要所、要所で入れたりしたいと思っています。あとは動き作りや補強など、細かい部分を妥協せずに継続していくことも重要かな、と思います。

――練習のレベルを上げるために駅伝が何かしら役立ちますか?
鈴木芽吹:
駅伝になると、10000mをやっている僕からすると距離が長くなるので、スタミナを意識した取り組みもします。練習にボリュームを持たせるので、土台を作っていくという意味で、すごく良い影響があると思います。

――日本記録の時に良かったことの1つに“蹴らずに脚を置いていく動き”があるということですが、その走り方は駅伝などロードでも同じですか?
鈴木芽吹:
カーボンの入った厚底シューズは、置いて走れば反発で脚が回っていきます。その特性はロードの方が、大きく利用できると思っています。僕はもともと、蹴りが強くてスピードがあるタイプではないので、ランニングエコノミー、つまり走りの効率を良くして筋力に頼らない走りが合っています。そこを意識した動き作りや補強をやっている中で、徐々に目指す走りに近づいているのかな、と思います。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)