ニューイヤー駅伝2026inぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝。群馬県庁発着の7区間100km)に新たな日本記録保持者が登場する。9月の東京2025世界陸上10000m代表だった鈴木芽吹(24、トヨタ自動車)が、11月22日の八王子ロングディスタンス10000mで27分05秒92と、塩尻和也(29、富士通)が持っていた27分09秒80の日本記録を約4秒更新した。世界レベルの26分台に最短距離に位置した鈴木に、日本記録の振り返りとニューイヤー駅伝への意気込みを聞いた。
日本新は特別なことではない?
――日本記録を出して一番嬉しかったことは?
鈴木芽吹:常に自己ベストを更新したいと思ってレースには出場しています。それがたまたま日本新という形になりましたが、それほど特別なことをしたとは思っていません。ただ、自己ベストを出せたことは純粋に嬉しかったですね。
――東京2025世界陸上を経験したことで、日本新でも気を抜いたらいけない、と考えるようになった?
鈴木芽吹:世界陸上を走ったことで、参加標準記録(東京世界陸上は27分00秒00)を切ってスタートラインに立たないと勝負にならない、という危機感を持ちました。世界陸上が終わって、八王子で26分台を狙って行くと決めました。その中で27分05秒92の自己記録を残せたことは嬉しいのですが、冷静になってみると標準記録に到達できていないので、まだまだだよな、という気持ちが強いですね。
――10月下旬から約3週間のアルバカーキ合宿を行いました。昨年の八王子ロングディスタンス(27分20秒33)前もアルバカーキで練習しましたが、1年前とはどんな違いがありましたか?
鈴木芽吹:メニュー自体はそれほど変えていないので、一番の違いは、今年は田澤(廉・25)さんと一緒に練習できたことです。1つ1つの練習も、たぶん去年より高いレベルでやれたと思いますし、引っ張り合うことで余裕を持ちながらできたと思います。
――帰国された後、八王子前の調整練習では練習量を維持しながら、ジョグの質も落とさなかったそうですが、それを実行するのは勇気が要ることでは?
鈴木芽吹:以前と比べたらあまり落とさなかったということで、実際には落としているので、そんなに不安はありませんでした。意図としては合宿で、去年よりもレベルの高い練習を疲労感なくやることができていたので、大会前だからといって練習を大きく落としてしまうと、合宿で得られていた良い感覚が失われてしまう不安が逆にありました。ある程度合宿からの流れでやっていけば、レースでも走れるんじゃないかな、という感覚が自分の中にあったんです。

















