「ミッションコンプリート」発言もあったが…今後の課題は?

―――国民の手取りが増えると、国の税収は減少します。当初の国民民主案で一律で178万円まで引き上げた場合、約7兆6000億円の税収減(政府試算)ということでしたが、今回の合意案では1兆8000億円の税収減(玉木代表Xより)。大きく減ったとはいえ、財源はどうする考えでしょうか?

「そもそも、『7兆6000億円』も財務省や政府が言っている話で、こんなにかかるからダメだと去年のプロパガンダに使われて、メディアもそのまま流していた。私はそんなかかりませんよと言ってたんです。しかもこれは住民税を含む概念になっている。『103万円の壁』は所得税の、国税の概念なので、7兆6000億円と今回実現した1兆8000億円を比べること自体、ベースが違う」

「また、2025年度に予定している税収は2.9兆円上ぶれています。税外収入は1.0兆円上ぶれで、使い残しの予算も1.1兆円あり、これで5兆円です。去年からの剰余金が2兆円以上ありますから、例えば(合意案による)1.8兆円、そしてガソリン暫定税率廃止による1.5兆円、環境性能割という車の取得時の減税を合わせて3.5兆円ですが、今申し上げた税収等の上ぶれで十分賄える範囲に納めています」
                
―――「年収の壁」の合意直後、会見では「ミッションコンプリート」と発言しましたが、これでゴールではない?

「そうですね、ガソリン暫定税率廃止と103万円の壁を178万円に引き上げる、3党合意という意味では実現したんですが、ただ年収の壁がまだ残っている。社会保険料の壁、いわゆる130万の壁は、今年度末までは一応予算措置で手当てしてますけれども、抜本改革がこの前の年金制度改革で先送っているので残ったままなんです。まだまだ手取りを増やすための取り組みは残っていますので、2つ残っている年収の壁を倒していくことも含めて、さらに取り組んでいきたいと思っています」