【小林香菜 去年の9月以降 各種目自己ベスト】
◆5000m
15分45秒68 (2024年9月28日 日体大記録会)
◆10000m
32分22秒98(2024年9月21日 全日本実業団陸上)
◆ハーフマラソン
1時間09分09秒(2025年4月27日 岐阜清流マラソン)
◆フルマラソン
2時間21分19秒(2025年1月26日 大阪国際女子マラソン)
「高速ピッチ」の秘密と可能にする練習
フルマラソンでいえば、大塚製薬入部前のタイムは2時間29分48秒(24年1月大阪国際女子マラソン)、入部から8か月後には2時間24分59秒で自己ベストを更新(24年12月防府読売マラソン)。さらに東京世界陸上の切符を勝ち取った翌年1月の大阪国際女子マラソンでは2時間21分19秒で当時日本歴代10位のタイムを叩き出し、前年の同大会から8分以上もタイムを伸ばした。
小林の走りの特徴は、1分間に約220歩以上の歩数で走る「高速ピッチ」。トップ選手の平均180~190歩に比べてもいかに歩数が多いかが分かる(高橋尚子は約209、アテネ五輪女子マラソン金メダリスト・野口みずきは約197)。154cmと小柄な小林にとって、テンポが早く、効率が良い歩幅で走る事で地面からの衝撃も少なくなっている。
高橋さん:彼女の走りからすると、あの高速ピッチっていうのがひとつ後半も持つ大きな武器になっていると思うんですけれど、あの走りを解説していただいてもいいですか。
河野監督:体幹を軸に凄く効率よく上半身と下半身が連動しながら動かせているというのは、要するに体幹がしっかりしているという事と、それを軸に使ってるっていう事で、いわゆる体の膝から下にあまりストレスがかかりにくい走りだと思うんですよね。なので、大きな筋肉をしっかり使って42.195km走れているので、それは彼女の走りの中でも非常に強みになるんじゃないかなと思っています。
高橋さん:確かに蹴ったり、跳ねたりというより、大きな筋肉で足を前に置いていくような走りですよね。ピッチ走法だとチョコチョコ走るので小さいフォームになりがちですけど、可動域は物凄く広いですよね。そういう意味では股関節の開きとか動かし方は非常に理にかなっていると思う。あのフォームを作り出したのは、やはり初動負荷トレーニングが大きいんですか?
河野監督:初動負荷トレーニングは彼女の持っている走りをさらに引き出したものになっていると思うんですね。これから足が長くなるとか、身長が伸びるというのがないので、今後も続けることによって、可動域を維持したまま、今持っている可動域を最大限にしつつ、それを速く動かせるっていうふうになっていけば自ずとピッチが上がってくる。そうすると42.195kmのゴールが早く近づいてくるという流れになるんじゃないですかね。

















