河野監督

高橋さん:自己ベストが21分のままでいいという指導者はいないと思うので、これから目指していくところを教えてください。
     
河野監督:日本記録(2時間18分59秒)は破りたいですよね。彼女の走りが日本記録を更新したら多分みんな驚くと思うし、シューズは違えども彼女が高橋尚子より速いとか、野口みずきよりも速かったなんていうと、他の選手たちが「私もできる」って思うんじゃないかなと思うので、彼女に可能性がある限りは、そこを目指していけるように、チャレンジできるような状態でスタートラインにつけるように私もやっていきたいなと思います。

高橋さん:それは本当に楽しみにしています。フォームが独特と言えば独特だと思うんですよ。今お話を聞いているとノビシロがまだたっぷりあるってことでいいですよね?

河野監督:はい。そこがもう私があと何年生きられるか分かんないですけど。

高橋さん:いやいやいや(笑)

河野監督:もうあなたと小出さんの年齢よりも上になって、65歳になったから。あなたがシドニーオリンピックの時は多分まだ60前後(小出義雄監督当時61歳)だったから、そんなことを考えていると結構粘ってやっているなと思っているので(笑)。あと何年続けられるかどうかは私も決められないと思うんですけど、彼女がそういったところで求めて頑張りたいと思ったら、それは私の方でできる限りのサポートはしたいなと思っています。

高橋さん:まだこれからですね!いやあすごい出会いだなと、たくさんの道筋が彼女にあったところで、手繰り寄せるかのように繋がった。ある意味運命的なものを河野さんも感じられているのかなと。

河野監督:そうですね。最初は「本当に来るの?」というところから始まったんですけど、トレーニングを見ていると「面白いな、この子どこまで行くんだろうな」と思って。そしたら、こんなとこまで上がってきたんだ、という。思っている以上のレスポンス、反応があるので、これが指導者にとって「楽しい」としか言いようがないですよね。