維新との「婚約期間」設定と異例の政党人事

元衆議院議長 伊吹文明氏:
今回は吉村さんの熱意とそして彼の決断によって、この内閣はできたと思うんですね。そういう意味では非常に行政権が復活したっていう意味ではよかったけれども、憲法の精神からすると、やっぱり国会議員じゃない人が行政権を作ることについて、これだけ大きな影響力を行使するっていうことは、ちょっとどうかなっていう感じがある。これは維新という政党の特殊事情だと思うけども、閣内に入った連立をしなかったっていうのは、僕は非常に維新としては賢明だったと思います。

閣内に入って国務大臣になると、必ず内閣としての意思決定に参画をして、そして署名をしないといけない。閣内協力をした場合は全面的な責任を負うんでね。やっぱり橋下さんがいみじくも言ってた、初めての連立ですから結婚の前に婚約期間をしっかり置いておくべきだっていう。そうすると誰かが繋がないといけないんで、国務大臣としてやるっていうんならもうこれ完全な連立になるからわかりやすいんだけど、閣外協力をしたから誰かがいないといけないんですね。補佐官という形でやるのか、見えないところでやるのかっていう違いじゃないですか。

ーー維新との連立なんですけれども、吉村さんは高市さんの情熱に負けたみたいな感じでおっしゃっていましたが。

元衆議院議長 伊吹文明氏:
いや、高市さんの熱意もあったと思うんだけども、吉村さんの決断というのが非常に大きかったんじゃないですかね。私は京都にいるんでね。関西なんかだとひしひしと感じるんだけど維新もやっぱり今転換点に来てる。なかなか地方ではね。大阪では立派なものなんだけど、地方へのびていかないんでね。だからいわゆる副首都なんかについても、吉村さんの名誉のためにも大阪ありきじゃなくて、やっぱり議論した方がいいと思いますね。

ーー選挙制度改革に関してはどうお考えですか。

元衆議院議長 伊吹文明氏:
これは突然出てきたわけじゃなくて、維新は前からそういう主張をずっとやってきましたし、政治改革の中にも定数の問題、それから政治資金の問題をいくつか書いてありますのでね。

ーー今回の臨時国会で法案が出せなければ、離脱するというふうに共同代表、代表自らおっしゃってるっていうのはいかがなものかと思いますが、どうでしょうか。

元衆議院議長 伊吹文明氏:
いや、離脱するっていうのは、共同代表が言ってるのか、かつてのリーダーの人たちが言ってるのか、僕はそこは確認してないんでわからないんですけども。法案を出すっていうことはそれは構わないんですよね。その後ですよ。問題はね。これは国会でやっぱり議論をしながら決めるんで、出したけれども反対があるとかいうようなことではいけないし、ギリギリの多数決で、こういう問題を押し切るっていうことは議会制民主主義のあり方からしていいかどうかっていう、当然批判は出てくるでしょうね。だから今後の各党との話し合いだから、そういうニュアンスのことがこの合意文書に欲しいってことですよ。

まあ自民党の中にもいろいろな意見があると思いますけどね。しかし、形式論を言えば総裁一任をしたわけだからね。だから、一任を受けた高市さんがサインしてる限りは、自民党の中はまとめないと、それは高市さんの責任になるでしょう。