しかし駅伝では、自分はまだまだ格下という意識で臨むことができる。「自分はメインがマラソンで、駅伝では長くて10kmなので得意な距離ではありません。その距離でもトラックの代表選手たちと勝負できることは、とても嬉しく思います。挑戦であり、楽しめる機会ととらえています」。

ただ今回は、世界陸上から1カ月というタイミングで、小林は脚の状態が万全ではない。河野監督は「疲労と脚の状態を確認しながら、無理のない区間に起用することになります。チーム事情を勘案しながらになりますが、過度な負担をかける使い方はしません」と話している。

小林にとって今年のプリンセス駅伝は、状態が悪い中でどのくらいの走りができるかを試すレースとなる。少し見方を変えれば、これまでのように挑戦する走りになる。万全でない状況でも想定を上回る走りができれば、今後マラソンで世界と戦うときの引き出しが1つ増える。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)