老後30年に必要な資金は1238万円だといいます。あれ、 減ってない?と思われた方も多いのではないでしょうか?その内訳をみていきます。
老後の資金 今は“老後1238万円問題”に?
出水麻衣キャスター:
老後に必要な資金は、これまでは“老後2000万円問題”として取り沙汰されていたと思います。
これは2017年の総務省の家計調査をもとに算出されているものです。収入と支出を計算すると、毎月約5万5000円の赤字が出る見込みのため、30年間で年金以外に2000万円必要になるというもの。

【老後2000万円問題】2017年 総務省家計調査
夫65歳以上/妻60歳以上の無職世帯
実収入ー実支出
毎月の赤字:約5.5万円
30年間の生活で年金以外に“2000万円必要”
この家計調査は毎年発表されています。2024年の調査では、毎月の赤字は「約3.4万円」ということで、2017年の調査からは2万円近く減っています。
2024年の数字で計算してみると、老後30年過ごすのに必要な額は「1238万円」となります。
【いま 必要な額は?】2024年 総務省家計調査
毎月の赤字:約3.4万円
現在は“老後1238万円問題”

少し減っているため、喜ぶ人もいるかもしれません。ニッセイ基礎研究所・主席研究員の井出真吾氏は「6年前に比べ、働く女性が増えたため家計収入が増加し、毎年の赤字額が小さくなっているのでは」としています。
妻が現役時代に働いていて年金が多かったり、夫のリタイア後にパートなどで働いていたりして、相対的に家計の収入が増えていることが理由にあるようです。
“老後2000万円問題”の数字などを、どのように見ていますか。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
当初“2000万円問題”が出たときには、皆さんすごく驚いて不安になったと思います。
その2017年以降、「自分たちで何とかしなければならない」ということで、副業や投資などでお金を確保するという動きになったのではないでしょうか。一方で、少し赤字が減っているというのは、働いたり節約したりという家計の努力の結果なのかなと感じます。














