宿泊施設や交通機関では“万博特需”

 大阪・関西万博は、10月13日までに2557万8986人が来場(関係者除く)。9月27日には運営費の黒字化の目安となる2200万人を突破しました。万博が盛り上がったということは間違いないと言えそうです。

 では万博ではどれだけのお金が動いていたのか。国・大阪府市・経済界が負担した建設費は2350億円、国が負担した警備費は250億円とされています。一方、運営費の黒字は230億円~280億円ほどになるといわれていて、全てを含めた万博の経済波及効果は最大で3兆3667億円とされています(アジア太平洋研究所の試算による)。

 特に経済効果が大きかった“万博特需”として挙げられる業種は、宿泊施設や交通機関です。大阪タクシー協会によると、万博期間中の4月~9月は前年同月比で実車距離が7%、営業収入が10%それぞれアップしました。タクシーの運転手に話を聞くと、片道7000円ほどかかる新大阪と万博会場の間を1日で6~7往復したという人もいるといいます。

 ホテルの客室稼働率は4月~8月のいずれも前年同月比で増加していたということです。また、大阪メトロの営業収益も、中央線の乗客増加に伴い4月~6月期は35%増え、過去最高の654億円となりました。

 また、意外なことに万博期間中は酒類がよく売れたというデータもあるといいます。万博は公共交通機関での来場が多く、また会場内の飲食店では比較的高い価格が設定されていた一方、会場は飲食物の持ち込みも可能だったことから、飲食関係では幅広く恩恵があったということです。