【シナリオ1】高市自民党が“仲間”を探して与党過半数

 総理指名選挙で考えられるシナリオは、大きく分けて3つあるとジャーナリスト・武田一顕氏は指摘します。1つ目が「高市自民党が公明党に代わる“仲間”を探して与党過半数」です。このケースでは、どの党と連携するかによって2つのパターンが考えられると言います。
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 ▼シナリオ1―1
 自民(196)+維新(35)+国民(27)=258議席
 ※衆院過半数233議席

 まずは、自民党が維新・国民を引き入れ、連立を組むケースです。この場合、衆参ともに過半数に達するため政権が安定します。

 ただ、公明党離脱の要因にもなった“政治とカネ”の問題がハードルになりそうです。企業・団体献金などへの厳しい対応を求めている国民・維新と意見が一致するのか、仮に一致するなら、なぜそもそも公明党との連立を維持しなかったのかという矛盾があります。

 また、「連合」(労組)がバックについている国民民主党と、「大企業」が支援する自民党がタッグを組めるのかという懸念もあります。
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 ▼シナリオ1―2
 自民(196)+維新(35)+参政(3)=234議席
 ※衆院過半数233議席

 もう1つは、自民党が維新・参政と連携するパターンです。この場合、ギリギリ過半数を超えます。

 ただ、吉村代表の鶴の一声で維新が本当にまとまるのか?という懸念があります。特に、支持基盤である大阪では自民・維新が激しく対立しているのです。また、閣僚ポストを参政党に渡すことに対して、自民党議員が納得するのかという問題もあります。