「価格変動制」を導入 客にも運営側にもメリット
出水キャスター:
その恩恵は、以下のような所でも見られます。

▼長野・駒ケ根市
中央アルプスを望む「千畳敷カール」。
3連休(10月11~13日)に観光客が最多となりました。ロープウェイ待ちには行列ができるほどでした。

ロープウェイに乗り込めば約7分間、紅葉を見下ろす空の旅が楽しめます。
そして、たどり着いたのは、標高約2600mに広がる「千畳敷カール」。
畳を約1000畳敷けるほど広いことから付いた名前で、日本で最も早く紅葉が楽しめる場所の1つです。
2025年はここ数年で一番紅葉の色づきが良いということです。

ロープウェイを運営してる会社の担当者によると「2025年の千畳敷カール」は、▼赤色が強く出ている、▼赤色の期間が長いとのこと。
今はすり鉢状もなっているところが見頃ですが、今後は麓に向かって紅葉が進んでいくということで、今週以降はロープウェイ区間で見事な紅葉を楽しむことができるそうです。

紅葉をいろんな方に、いろんな選択肢を持って楽しんでいただきたいということで、ロープウェイの会社は「ロープウェイの価格変動制」を、2023年から導入しています。
「中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ 10月価格カレンダー(大人料金 往復)」を見ますと、3連休などは3050円と10月の価格では一番高くなります。一方で、平日は2790円と少し安くなり、さらに、紅葉の見頃が麓に移ってきた頃は2540円と、最大で500円程度安くなります。

価格変動制を導入することで、週末に分散していた客を平日にも移動させています。お客さんにとって料金が安くなるというメリットがあり、混んでいないのでストレスも減ります。
会社にとっては、客が土日祝日に集中せず、安全にロープウェイを運行できるメリットがあるため、「導入してよかった」という声も聞こえています。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
最近は遊園地などでも価格変動制をして、できるだけ平日に人を流そうという取り組みがあります。また、例えば花火大会の運営費が足りなくて開催できなくなってしまったということもあるので、このようにきちんと利益を確保して、持続可能な形で紅葉が見られる環境を続けてほしいなと思います。

出水キャスター:
このような取り組みは、珍しい紅葉の観光地でも行われています。
愛知・豊田市で11月15~30日に「小原四季桜まつり」が開かれます。紅葉だけではなく、春と秋に2回咲く「四季桜」と「紅葉」が同じ時期に楽しめるという珍しい観光スポットです。
通常は無料の駐車場を、まつりの期間中は約500~1000円の価格にしています。この駐車場代は、桜の保全などに使われているということです。

井上貴博キャスター:
外国人観光客は紅葉などを目当てに日本に来るぐらいですからね。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
もしかすると、外国人観光客用の値段検討をする余地がありますよね。
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〈プロフィール〉
馬渕磨理子さん
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説














