再エネの切り札となる夢のシート「ペロブスカイト太陽電池」。日本発の技術ながら、中国での開発が勢いを増している。そんな中、京都大学発のベンチャー企業が、あえて「小規模な市場に特化する」狙いとは?

ペロブスカイト太陽電池は「どこでも電源」

9月、幕張メッセ(千葉市)で開かれた太陽光発電の展示会。

来場者の注目を集めていたのは、ペロブスカイト太陽電池に関する発表だ。

積水化学工業やパナソニックといった大手企業とともに壇上に立っていたのは、京都大学発のベンチャー企業『エネコートテクノロジーズ』(京都・久御山町)の加藤尚哉CEO(50)。

『エネコートテクノロジーズ』加藤尚哉CEO:
「ペロブスカイト太陽電池は、“どこでも電源”。いろんなシーンに供給していきたい。ペロブスカイト太陽電池で未来を作る

ペロブスカイト太陽電池とは、独特な結晶構造を持つ材料をインクのようにフィルムなどに塗り広げて作られる“次世代太陽電池”

特徴は薄くて軽いことに加えて、折り曲げられるほどの柔軟性だ。

▼厚さ【0.03mm】⇒シリコン(従来品)の「100分1」の薄さ
▼重さ【2.5g/W】シリコンの「25分の1」
▼曲げられるほど【柔軟】
▼【曇天・雨天時】でも高効率で発電
▼量産される従来品に比べ【高価】だが安くなる可能性大