首都・ダマスカスに日本語教室が復活

このように、アニメや漫画を通じて日本に魅了された若者が増えているシリアだが、実は2011年に内戦が始まって以降、ダマスカス大学の日本語学科は新規学生の募集を停止し、ダマスカスの市民が日本語や日本文化に触れる機会は10年以上にわたって失われていた。
そうした中、今年7月、ダマスカスに日本語教室が開設された。NPO団体「シリアの友ネットワーク」による無料の授業で、日本語の学習だけでなく、七夕の笹飾りなど日本の伝統文化も体験できる内容となっている。
受講生はインターネット上で募集され、わずか2週間ほどで、10代から60代までの15人が集まるほどの人気ぶりだった。ある受講生は、「日本のように発展した国の言葉を学ぶことは大切。Google翻訳なしで日本の人たちと文化交流したい」と意気込みを語った。
講師のルアーさんは、シリアでこのような日本語教室が開設された意義について、「外国語を無料で学べる講座は、個人のスキル向上の機会となるだけでなく、社会進出・活動の支援にもつながり、将来的には国全体の経済復興に寄与する」と語った。特に日本語を学ぶことについては、シリアの復興につなげられると強調。第二次世界大戦で広島と長崎が原爆の被害を受けたにもかかわらず、日本が短期間で経済大国へと成長した点に着目し、「日本語を学ぶことで、日本が戦争の被害をどう乗り越え、復興に成功したかを知ることができる。その経験は、シリアの再建にもきっと役立つはずだ」と力を込めた。
