平日のナイター 集まった部員は8人…
企業のプライドとプライド、地域の意地と意地がぶつかり合う都市対抗野球。今年で7年連続出場となるヤマハにとって東京ドームでの応援は、いまや欠かせない「夏の風物詩」になっているという。初めて野球応援に参加する新入社員の川原玲音さん(トロンボーン)も「『音楽のヤマハだ』って誰もが思ってもらえるので、その名に恥じぬような演奏も意識しながらやっていきたい」と意気込む。
浜松から東へ約250キロ離れた東京ドームで行われた都市対抗野球大会。ヤマハの初戦は、月曜日のナイターだった。メンバーの多くが仕事のため、応援に参加できた団員はわずか8人。それでも、頼もしい助っ人が集結した。楽団のOBや応援社員だ。毎試合40人ほどの編成で応援演奏を行うが、団員以外の参加希望者という人は多いという。
約30年ぶりに野球応援に来たという元団員の仲田薫さんは「この雰囲気が大好き」だという。入社2年目の星野瑛彗さんはクラリネット担当、「初めてのことなので緊張もあり楽しみもあり、いい体験をさせてもらっている」と笑顔だ。
演奏するレパートリーは長年変わらないという。『ウィリー(ウィリアム・テル序曲)』や『Runner』、『暴れん坊将軍』といった野球応援の定番曲を始め、イニング間には、『イン ザ ムード』や『OMENS OF LOVE』といった名曲を披露。さらに、「♪ド・レ・ミ・ファ・ソ~ラ・ファ・ミ・レ・ド」のフレーズでお馴染み、『池の雨』を奏でるとスタンドから「ヤマハといえばやっぱりこの曲だよね」と声が上がった。