このあと四国に上陸のおそれがある台風15号。5日は全国の広い範囲で線状降水帯が発生し、大雨災害の危険が急激に高まる可能性があります。
5日に台風が最接近する徳島県。風が強く吹き、海には白波がたっています。
4日朝、奄美大島の東の海上で発生した「台風15号」。その後、北上し、九州に接近。午後7時半ごろの大分県佐伯市では強い雨と風が吹きつけ、道路は波を打ったような状態になっています。
4日、最も雨が降った宮崎県では都農町で24時間の降水量が465.5ミリと、観測史上最大を記録。さらに、延岡市では道路が冠水。道路は水に浸かり、川のような状態になっています。
宮崎県では、午後7時前に「線状降水帯」が発生。この影響で、延岡市では一時、「緊急安全確保」が発令されました。
夜にかけて広がる雨の範囲。和歌山県では…
記者
「午後8時半すぎの串本駅前です。雨と風が非常に強くなってきました」

気象庁は、5日昼過ぎにかけて、九州から東北にかけての広い範囲で「線状降水帯」が発生する可能性があると発表しました。
激しい雨は首都圏でも。

千葉県船橋市では道路が冠水。車がゆっくり進みますが、水の高さはタイヤあたりまで達しています。その様子を見たためか、対向車線の車は止まっています。

水は頭上からも…。高速道路から水が滝のように流れ落ちています。
気象庁は、千葉県旭市で1時間に100ミリの雨が降ったとして、「記録的短時間大雨情報」を発表しました。東京・江東区でも4日朝、1時間に100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されています。

台風の接近により、列島に広がった雨雲は広い範囲で激しい雨を降らせました。
先月、台風の被害に見舞われた鹿児島県では再びの大雨。交通機関も乱れていました。
観光客
「列車の旅で志布志まで来たんですけど、列車でまた福岡まで帰る予定だったが、運休になったので、急遽、バスに切り替えて帰ろうと思い、今、バス待ちの状態」

こうした様子は隣の宮崎県でも。台風の接近により、列車が運休。駅の待合室には女性が1人、途方に暮れていました。
駅のアナウンス
「台風接近の影響により、鹿児島駅から志布志駅間、列車の運転を見合わせています」
一方、車は…。日向市では道路が冠水、川のようになっていました。
また、宮崎市では一時、下北方町や大島町などのおよそ3万1000人に警戒レベル4の避難指示が発令されました。
高知駅前の坂本龍馬像も激しい雨に打たれていました。台風の接近に伴い、過去には“避難”したこともありますが、今回はまだ“避難命令”は出ていないようです。
ただ、市民には影響が出ています。毎週木曜日に開かれる木曜市。4日は訪れる人も少なくなっていました。
木曜市出店者
「きょうは台風も高知で接近しているので、皆さんいつもより早くお帰りになられました。雨のせいもあって(客の出入りが)少なかったですね」
高知県内では多くの高校や小中学校が休校したり、午後の授業を取りやめ、下校を早めたりしたということです。

激しい雨による川の増水にも注意が必要です。午前7時半ごろの神戸市の都賀川河川カメラの映像。川沿いを散歩する人などがいます。

その30分後、突然の雨に。あっという間に水位が上がり、濁流となりました。
市によると、当時、急な雨で、午前8時からの20分間で川の水位がおよそ80センチも上昇したということです。
消防などによりますと、この雨による増水で、パトロールに出ていた消防隊員が都賀川の甲橋付近で川に取り残された女性を見つけたということです。女性は救助され、けがはありませんでした。