廃食用油回収に企業も協力

SAFのコスト削減のため重要となってくるのが、原料となる廃食用油の回収量を増やすことだ。

コスモエネルギーホールディングスは、7月から東京都内55か所のガソリンスタンドでも廃食用油の回収を開始した。

日本で排出される廃食用油は年間約50万トンで、その8割を占めるのが飲食店など「事業系の廃食用油」だ。

全国に867店舗を展開するうどんチェーン店『丸亀製麺』。
店内で揚げる天ぷらも人気で、毎日大量の食用油を使用するため、天かすから再び油を搾り取って再利用。その後使えなくなった油をSAFの原料として提供している。

『トリドールホールディングス』サステナビリティ推進部 宇井千明さん
「なるべく資源を有効活用していきたい。回収した油をSAFにぜひ活用してもらいたいと考えている」

茶色い廃油が「無色透明」に

回収した廃食用油は、どのようにSAFへと生まれ変わるのだろうか。

コスモ石油堺製油所に大型トラックで運び込まれた廃食用油。茶色く濁り、揚げ油の匂いがまだ残っている状態だ。

『コスモ石油』次世代プロジェクト推進部長 後藤真也さん
「常温で液体の植物油。オリーブオイルやコーン油など何が来ても大丈夫」

廃食用油から揚げカスなどの不純物を除去し製造装置へ投入。水素と化学反応をおこし“無色透明”なSAFが生成される仕組みだ。