「振り返ってみれば保護観察をつけたほうが…」

―――川崎拓也弁護士は今回の事件をどう受け止めていますか?

 (川崎拓也弁護士)「本当に執行猶予でよかったのか、という問題がありますが、一方でなぜ執行猶予という制度があるのかというと、更生することが最大の目標。そのために社会と切り離すのがいいのか、社会の中で(執行猶予期間中に)もし犯罪を犯したら執行猶予が取り消され懲役、拘禁刑にのってくるほうがいいのか、ジャッジが難しかったとは思います」
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―――3年前の事件の判決文に「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」という文言もありました。しかし結果的に執行猶予付き有罪判決でした。執行猶予とはどのような制度なのでしょうか?

 「執行猶予だけのときは生活に特に支障はないです。ただその期間に再犯をすれば、(執行猶予付きで)言い渡された判決が再犯の刑に足されることになります」

 「また、保護観察を付ければ、毎月、保護司に日常生活を報告するほか、変わったことはないかと声をかけてもらえる。そういった措置がつくこともありますが、それは裁判官の判断になります。(今回は)保護観察が付いていたほうがよかったのかなと、いまとなれば思いますが、なかなかリアルタイムで判断するのは難しい」