「パパ死ぬかもよって思いながら、笑顔で接するのはきつかった」。2020年に中咽頭がんと診断されたお笑いコンビ・ペナルティのワッキーさん(53)。壮絶な化学療法を乗り越えた先に待っていたのは、味覚を失い、唾液が出なくなるという芸人として致命的な後遺症でした。

絶望の中で彼を支えたのは、入院中に出会った20歳の大学生。しかし、退院後に届いたのは、共に闘った青年の訃報でした。「なに下向いてんだ。上を向け!」

亡き戦友から受け取った“強い意志”が、機能不全に陥ったはずのワッキーさんの体に、ある「奇跡」を呼び起こします。命の輝きを噛み締め、再び立ち上がったワッキーさんの魂の講演録を再掲します。