「帰る時間が5分でも遅ければ…犯人に会うことも命を奪われることもなかったかもしれない」高校2年生の娘を殺人事件で亡くした北口忠さんは、講演会でこう語りました。病院で対面した娘は、眠るような顔で横たわっていたといいます。事件から21年。父が伝える、被害者遺族の記憶です。【前編/中編後編 の前編】

のどかなまちで起きた殺人事件…高校2年生が犠牲に

事件は、2004年10月5日、広島県廿日市市で起こりました。有名な観光地、宮島の海岸から車で10分ほどの、田舎でも、都会でもないまちです。

当時、高校2年生だった北口聡美さん。普段であれば授業を受けている時間、しかしこの日は定期テストのため、いつもより早く帰宅していました。

午後3時ごろのことでした。聡美さんは、自宅で男に刃物で刺され、死亡しました。