川辺のバーベキューでは「到着してすぐ」が “魔の時間”

Q 野外のレジャーで、予定はしていなかったけど川や水辺があって、ちょっと入ってみようという形で遊んで、そこで事故に遭うというケースも多いと思います。事前に水に入るか入らないかを決めておくというのも重要でしょうか?

「もっと言うと、川の近くでキャンプやバーベキューをする場合は、間違いなく水に入ると思った方がいいですね。本当に暑い日が続いていて、目の前の冷たそうな水を見ると、誰でも入りたくなってしまうので。もう最初から川に入るもんなんだと思って、注意していくと。

 一番怖いのが、親子でバーベキューに行って、お父さんお母さんがバーベキューの準備をしている間に、子どもが自分たちだけで『ちょっと川に遊びに行っていい?』って言ってしまうんですよ。それに『いいよ』と言ってしまうんですよね。お子さんが自分たちの手から離れて川に向かって、次に気づいた時には『あれ?うちの子がいない』となる。

 バーベキューなどに行って、川の事故はいつ起こるかというと、意外と『到着してすぐ』というケースが多いんですよ

流されたら… あお向けの状態で浮いて待つ!呼吸確保に全力を

Q もし、水に流されたり溺れそうになったりした場合はどうすればいいでしょうか?

「とにかく浮いて、呼吸を確保するということですね。例えば『背浮き』という方法があります。背浮きというのは、背中を下にして、あお向けの状態で水の上に寝るような感じになります。背浮きだと、口と鼻が空気中に出るので、呼吸を確保できるんですね。こうしてとにかく呼吸をすることに全力を尽くす。これが救助を待つ人の努力になってきます」

Q 陸にいる人に求められる行動は何でしょうか?

まずはすぐに119番をかけて、消防の救助隊を呼ぶということです。これがまず基本なんです。それから次に、流されている人がもし浮いていたら、さらに浮き具になるような物を投げて渡す、例えば空のペットボトルです。そういった物を投げて渡すようにしてあげる。渡らなくても、ペットボトルをどんどん投げていく。そういうふうにして流されている人を常に見ながら、119番もかけて、今この辺りを流れているという情報を、どんどん知らせてほしいと思います」