エネルギー“脆弱”脱却に「3つの対策」

日本の原油輸入先は、アラブ首長国連邦(43.7%)とサウジアラビア(40.0%)で全体の8割を超える。それにクウェート(6.8%)・カタール(4.1%)・オマーン(0.5%)を加えると、【中東依存度は95.1%】にも上る。(2024年※財務省「貿易統計」)

さらに、日本の1次エネルギーの国内供給の状況を見ると
▼石油⇒35.7%
▼石炭⇒24.4%
▼天然ガス・都市ガス⇒20.6%
▼再生可能(水力除く)⇒8.3%
▼原子力⇒4.1%
▼水力(揚水除く)⇒3.7%

(2023年度※経産省「資源エネルギー庁」)

ーー東日本大震災で原子力のウエイトが大きく下がり石油や天然ガスの比率が増えた。その結果エネルギーの中東依存が高まっているということか。

経済ジャーナリスト 磯山友幸さん:
「中東への依存を下げるというのは、ずっと国家目標だったわけだが、国民世論もあり原発をこれから増やすのはなかなか難しい。再生可能エネルギーにもう少し力を入れてやっていかないと、この中東依存は危険」

こうした“エネルギー政策の脆弱性”から脱却するためにすべきことはー
『日本エネルギー経済研究所』小山堅さんは、3つの対策をあげている。

〔1〕1次エネルギー全体に占める石油の割合を下げる
〔2〕現在240日分の備蓄で緊急時にうまく対応できるようにする
〔3〕国際的な危機になる可能性があるため、西側諸国だけでなくIEA(国際エネルギー機関)との連携を強化する