「国債買い入れ」減額ペース緩めたワケ
また日銀は、現在3か月ごとに4000億円ずつ減らしている「国債の買い入れ」について、2026年4月以降は減額幅を2000億円程度に縮めることも決定した。

植田和男総裁:
「あまり早めに減額を進めて国債金利が異常なボラティリティ(変動)を示す、それが経済にマイナスの影響を与える、そういうことが起こらないようにという配慮からの今回の措置」
2024年12月末の時点で、日銀の保有国債残高は561兆円となっている。

ーー2つの見方があり、〔1〕すでに大量保有しているのだから今まで通りのペースで減らせばいい。財政に忖度すべきではないというもの。〔2〕今は超長期の金利が上がってきているから減額は当然、と両方の意見がある。
『東京大学』名誉教授 渡辺努さん:
「今回の国債買い入れの話については、私は意外だった。これまで総裁や他の幹部も減額計画については、予見可能性を高めるというのが大事だと。あまり増やしたり減らしたりしないと言っていた。そうであれば原則は4000億円を続けるのが一番予見可能性が高いわけで、2000億円に減らしたということはそれなりの意味がある」
渡辺さんが考える背景は、やはり超長期金利の不安定な動きだ。
渡辺さん:
「日銀は元々、超長期の金利は物価や景気にあまり関係がないという見方だったが、そうは言ってもそれなりに不安定性を持ってくると色んな意味でまずいと判断をしたのではないか。それが2000億円への減額という形になった。やはり財政への配慮があったのではと私には見える」