トランプ関税で日本は「利下げ」に?
関税交渉の先行きが不透明な中、日銀は17日、政策金利を現在の0.5%程度に据え置くと決めた。

【植田総裁発言要旨】
▼“経済・物価が見通し通りであれば”金融緩和の度合いを調整していくことになる
▼関税など不確実性が極めて高く“経済・物価ともに下振れリスクが大きい”
引き続き「追加利上げを目指す方針」は示しているものの、4月の日銀の展望レポートでは、2025年度は成長率も下がり、2026年度には物価も大きく下がる見通しだ。

【日銀展望レポート(4月)】※前年度比
▼実質GDP
(24年度)0.7%⇒(25年度)0.5%⇒(26年度)0.7%⇒(27年度)1.0%
▼消費者物価指数(除く生鮮・エネルギー)
(24年度)2.3%⇒(25年度)2.3%⇒(26年度)1.8%⇒(27年度)2.0%
「特に注目なのは2026年度」と話すのは、物価の実証研究の第一人者でもある渡辺努さんだ。

『東京大学』名誉教授 渡辺努さん:
「26年度になると消費者物価指数が1.8%で、日銀ターゲットの2%を下回ってくるのが大事なポイント。今と正反対の“物価が弱すぎる”状態が生まれる。本当に1.8%になるなら利下げをすべき局面。日銀の仕事としてはターゲットの2%に戻していくのが仕事なので、本当にこうなるのであれば26年度は利下げだと思う」
ーーただ、足元の2025年5月の数字は▼生鮮除く⇒前年同月比3.7%▼生鮮・エネルギー除く⇒3.3%。下がったとしてもそんなに下がらないのではという見立てもできる。

渡辺さん:
「私もそこは強くそう思っている。やはりここ3~4か月の物価は異常に強い。もちろんコメ高騰もあるが、サービスも含めそれ以外のところでも上がってきていて、少し潮目が変わってきている。そうなると26年度に関税の影響がこれから本格化したとしても本当に2%を下回るのかわからない。下回らない可能性もそれなりにある」