立命大が関大をしのぎ切る
準決勝もう1試合は、立命館大学と関西大学の対戦。降りしきる雨の中で行われた試合は、試合開始から両チームが闘志を前面に、激しく体をぶつけ合う一進一退の展開となります。
まるでアームレスリングのような我慢比べの時間が続く中、先制したのは関西大。持ち味であるテンポよくボールをリサイクルしていくラグビーで連続攻撃を仕掛けていくと、立命大のペナルティーを誘発。26分にSO堂免遙生選手がペナルティゴールに成功し、ようやく3点をリードします。しかし、その直後のキックオフで逆に痛恨のペナルティー。ピンチを招いてしまいます。
このチャンスに立命大は、ラインアウトからのモールを巧みに押し込むと、タイミングよく飛び込んできたCTB藤原洋斗選手がタックルしてきた相手選手を引きずりながら、中央にトライ。藤原選手自らコンバージョンキックも決めて7対3と逆転に成功します。
勢いの出た立命大はさらに36分。センターライン付近のスクラムから、鮮やかにデザインされた攻撃を仕掛けます。SH堀陽人選手のパスを絶妙のアングルで受けたCTB中村颯汰選手が、約50mをひとりで走り切ってトライ。14対3とリードをひろげました。
それでも、肉弾戦では優位に立っていた関西大学。再びボールをキープしながら、我慢強く連続攻撃を仕掛けていきます。前半終了間際には、立命大陣内深くまで攻め込むと、ラックから上手くボールを持ち出したPR坂井大斗選手がトライ。コンバージョンキックも決まって14対10とし、ワントライで逆転可能な点差に追い上げ、前半を折り返しました。
後半が始まり、逆転を狙って再びボールをキープしながらじわじわと攻め込んでいく関西大。一方、ひとりひとりがしっかりと責任を果たしながら、大事なポイントでは、ためらわず前に出て跳ね返す立命大。ワントライで逆転可能は点差だけに、息詰まる攻防が続きます。
攻める関西大と跳ね返す立命大。手に汗握る攻防が15分以上も続きましたが、最後は、皇子山陸上競技場(滋賀県大津市)に詰めかけたファンの大声援を背に、立命大がしのぎ切った形に。スクラムで関西大のミスを誘ってピンチを脱出します。
そして後半26分、CTB藤原選手が巧みなステップで一気に相手ディフェンスを突破すると、最後はフォローしたWTB三浦遼太郎選手がトライ。19対10と関西大を突き放しました。
苦しい時間帯をしのぎ貴重な追加点に結びつけた立命大。こうなると勢いは止まりません。直後のキックオフから、力強い縦突破をみせて敵陣内に攻め込むと、後半30分にはFB久保田創大選手が右中間にトライ。CTB中村颯汰選手が慎重にコンバージョンキックも決めて26対10、逆転には、3チャンスが必要な点差にひろげて勝負を決定づけました。関西大の反撃を1トライに抑え、26対15で難敵を撃破。待望の決勝進出です。
その他の試合では、同志社大学が摂南大学に43対19と快勝して、関西学院大学との5位6位決定戦に駒を進めています。
京産大と立命大の決勝は、6月22日(日)午後2時から天理親里競技場(奈良県天理市)で行われます。














