ラッシュアワーに発生…関西の鉄道に大きな影響 露見した「都市型災害」
ブロック塀の問題も、いまだ完全に解決されていない大事なテーマですが、見落とされてならないことは、地震が引き起こした「都市型災害」についてです。
まずは、地震の発生時間に注目です。地震は、通勤・通学のラッシュアワーとなる午前7時58分に発生しました。大勢の学生やサラリーマンらで混雑していた車内は、混乱をきたしました。鉄道では、脱線などの大きな被害はなかったものの、JR西日本は京阪神全線の運行を取りやめ、阪急・阪神・京阪・近鉄・南海の電鉄各社、大阪メトロを含むすべてが運行を停止しました(一時、駅間などに停車)。
車内に閉じ込められた多くの乗客は、避難するために最寄りの駅まで徒歩で移動することを余儀なくされました。当時、テレビのニュースでは、線路横を長い列を作って歩く乗客の姿が映し出されました。
JR西日本を例にとれば、153本が駅間に停車し、約14万人の乗客に影響がでました。地震から約30分後に降車が始まりしたが、約14万人の乗客の避難が完了するには、5時間以上を要しました。車両などの狭い空間での長時間の“拘束”は、トイレの問題や体の不自由な人への対応など、多くの課題を残しました。