
植林プロジェクトには現地の関係機関なども参加しましたが、柚原さんが強く感じたのが緑化に対する意識の差。

「何のために『アラル海』の環境を改善するのか?」目の前の生活に追われる現地の人たちも明確な将来像を描けていませんでした。

柚原結女さん
「砂漠に来ると考えるんですけど、アラル海をどういう姿にしたいのかということです。緑化するというんですけど、緑化って実際どういう姿なんだろうということをいまいちみんな(現地の人も)分かってないんじゃないかと思って、私も分かってないなと感じてきました。緑化のその先を明確にしずらいのかなと思って」
大きな壁に直面する中、柚原さんたちが進めているのがサクサウールに寄生するある植物の生育です。

柚原結女さん
「ここに見えるのがニクジュヨウです。ニクジュヨウはサクサウールの根に寄生することで生息しています。ニクジュヨウは漢方薬の原料となっていて日本も含めていろんな国に輸出されています」
漢方薬のほか、健康食品などにも使われる「ニクジュヨウ」。

このニクジュヨウが生育する木を増やすことで、現地の新たな産業にできないかと考えました。さらにナスやキュウリなど、野菜の栽培にも挑戦。諦めることなく、地道な研究を重ねてきました。

柚原結女さん
「まず生活の基盤がなってないと環境を考えられない。生活の基盤に不安があるのでそこを補いながら環境を戻すっていうような取り組みが一番いいというか、そういう形はその日本、外国だからこそ何かアプローチできるやり方なのかなと思ってます」