『6月は睡眠時間が減る』
ある企業が行った調査では、6月の平均睡眠時間は「5時間56分」で、1年間で一番少ないという結果が出ています。

(※2021~2022年「月別平均睡眠時間」Futonto株式会社「睡眠ランキング」アプリより)

梅雨前線が本州付近に停滞し、各地で続々と梅雨入りを迎えそうな中、“不眠の季節”をどう乗り切ったらいいのか?
ぐっすり・スッキリ眠れる秘訣をノーベル賞有力候補といわれる睡眠学の世界的権威、柳沢正史教授に聞きました。
(2024年5月31日に配信した記事を編集し、再掲載しています)

ベッドの中で眠くなるのを待つのは「不眠症への第一歩」

まずは、寝付けない夜にやっていることについて。
「不眠症への第一歩になるのでやめた方がいい」と柳沢教授が指摘するのは、「ベッドに入って眠くなるのを待つ」こと。

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 柳沢正史教授:
「寝なきゃ寝なきゃと思いながらベッドに居続けると、“ベッドは眠れない場所”と体が覚えてしまう。本格的な不眠症の患者にそういう症状がよく現れる」

眠れないと思ったら、ベッドから一度出て、眠くなってからベッドに入り直すほうが良いといいます。

また、街で聞くと多いのが、「音楽を聴きながら寝る」こと。

実は、これもNGなんです。
柳沢教授によると、
▼眠りぎわにリラックスできる音楽を聴くのはOK
▼ただし寝付いた後に聴き続けると覚醒刺激になり、睡眠の質が悪くなる
▼特に人間の聴覚は人の声に敏感で、人の声には覚醒作用がある

とのこと。
寝付いた後に消えるようタイマー設定をすることが重要なんだそうです。

同じように、アロマやお香をたく場合も、眠っている間に嗅覚も働いているため、強い匂いは、刺激を与えてしまうそう。香りを弱めたり、燃え尽きるお香などを使うと、睡眠を妨げないとのことです。