青森県内ではいま、警察官をかたる特殊詐欺の発生が相次いでいます。青森テレビは電話を受けた男性から音声データを入手、その巧妙な手口とは…。
電話を受けた男性は4月15日、ある電話の音声を録音していました。
警視庁捜査2課 タケダと名乗る男
「岐阜県警で『ミヨシナオキ』を主犯格とする詐欺グループの事件の捜査を進めておりまして」
電話を受けた男性
「はい…」
警視庁捜査2課 タケダと名乗る男
「ミヨシを逮捕したさいに家宅捜査したところ、(電話を受けた男性)さん名義の楽天銀行のキャッシュカードが含まれておりました…」
男性が注目したのは電話番号です。
「+」で始まり、下4桁が「0110」でした。
電話を受けた男性
「(電話番号の末尾が)0110だったので、警察と思って出たら警察だったので。『容疑者として容疑にかかっています』と言われて、一瞬混乱してなんの容疑にかかっているんだろうと…」
警視庁捜査2課 タケダと名乗る男
「オレオレ詐欺の振込先の口座として利用されてしまっていた。岐阜県警では、(電話を受けた男性)さんがミヨシグループの関係者で、資金洗浄に加担しているのではないかと容疑がかかってしまっている状態」
自分が詐欺事件へ関与しているという疑い…。
男性は、あとで揉めることがないようにと、念のため会話を録音していました。そして、ふとした疑問を抱くようになります。
電話を受けた男性
「ミヨシグループ詐欺事件は、どんな事件なんだろうと(携帯で)調べたのがきっかけ。そこで(警察官を)名乗る詐欺があるという記事が出てきたから、それっぽいと思った」
男性がさらに疑問を感じたのは、より本格的に聴取するため、電話が警視庁から岐阜県警の2人へと転送されたことでした。
岐阜県警刑事部捜査2課 ササキを名乗る男
「電話転送受けました。岐阜県警察本部刑事部捜査2課ササキと申します」
岐阜県警刑事部捜査2課 オオクラを名乗る男
「口座は開設されてから押収されるまで詐欺グループに重点的に使用されていたようで、事件に関与している金額は6000万円以上です」
電話を受けた男性
「電話しながらだと矢継ぎ早に情報が来る。止まって一回考えることができない状況。混乱はする。本当っぽいことを言われているけれども、詐欺とも言われているし。(実際は)どっちか最初は分からなくなる」
男性は、ビデオ通話に切り替えるように促されたときに自ら電話を切り、青森県警に情報を提供しました。
県内では2025年、14日までに発生している特殊詐欺は67件、被害金額は2億8100万円ほどで前の年の同じ時期より52件・2億5000万円以上増えています。
被害件数全体の4割ほどが警察官をかたる詐欺で、偽の逮捕状を提示するなど手口は巧妙化しています。
県警察本部 小野寺健一 本部長
「SNSで警察官をかたる者から連絡があった場合、それは詐欺です。さらに、警察署等の電話番号を偽装表示させる手口もありますので、相手の所属、名前を確認して一度電話を切り、公開されている警察署等の番号に電話をかけて確認してください」
今回男性が被害防げたのは、相手のペースに乗らず、事件についてを調べたことでした。あらためて、注意点を紹介します。

①警察は警察手帳や逮捕状は携帯電話で示すことはありません
②警察はLINEで連絡をすることはありません
③警察が金品を要求することはありません
警察は不審に思った場合には、必ず相談するよう呼びかけています。