利下げ路線は大きく修正か

キーポイントは、「基調的な物価上昇率が伸び悩む」としている点だ。

日銀が重視する【基調的な物価上昇率】というのは、為替や国際的な市況など一時的な要因を除いた物価上昇率のことで、賃金上昇や国内需要の増加などによって価格転嫁が進むことでもたらされる物価上昇のこと。

1月には、「基調的な物価上昇率は2%の物価安定目標に向けて徐々に高まっている」とし利上げを決定したが、今後それが“伸び悩む”ということは、つまり【利上げ路線が実質的に大きく修正された】ということなのだろうか。

マネーマーケットの現場の視点から金融政策を分析する専門家に聞いた。

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「今までのロジックではポンポン利上げはできないよ、ということは言っているが、一方で就業者数で全体の85%ぐらい占める非製造業は、すぐに関税の影響を受けるわけではなく、人手不足が激しいということもあって賃上げの基調は続きやすいというのはある。なのでトランプ関税がどこかで良い方向で落としどころが作られれば、また利上げの話を持ち出せるということで、一応土俵際でギリギリ残ってるところではある」