復興への願い

4/26、珠洲市飯田町のわくわく広場にて、「鎮魂と復興」を願う花火ステージイベントが催されました。

栃木県のボランティア団体の声掛けと住民の方々の尽力、珠洲市の後援を受けての開催となったこのイベントは、能登半島地震の発災2週間後から現地入りし、ボランティア活動を続けてくださっているMriya(ムリーヤ)の城本宰敬(しろもと ただよし)さんにとっても、栃木県民として最後の支援となりました(ムリーヤは、ウクライナ語で「夢」の意)。

イベントに尽力いただくきっかけとなったのは、栃木県のボランティア団体「トイレットペーパーズ」代表の原田さんからのお話しでした。

城本さんは、地域のみなさまのイベントになるよう、現地のみなさまの協力を積極的に呼びかけました。呼びかけに応えてくださった、珠洲市野々江町の仮設住宅代表の従二(じゅうに)さんは、花火を打ち上げる場所を地域のみなさまへのお声がけによって見つけてくださいました。従二さんの呼びかけに応え、地元の田中建材の山下社長が、海岸沿いの資材置き場を花火の打ち上げ場所にと前向きなご協力いただいたおかげで実現にこぎ着けました。

こうして珠洲市の観光交流課との働きかけや、珠洲市のみなさまとの協力体制を構築しながら、イベントの準備は進められました。

イベントに先駆け、昨年2月から能登で折に触れて提供を続けていらっしゃる栃木県大平町川連の栃木乳業さんの「レモン牛乳」を珠洲市役所の職員のみなさまにお届けしてくださいました。

レモン牛乳、珠洲市へのお届け 提供:城本さん

こうして迎えたイベント当日、たくさんの方々が来場し、それぞれにお祭りの雰囲気を楽しまれました。

イベントの炊き出しでは、地元の方や津幡町の方も来てくださり、お手伝いしてくださいました。炊き出しについては、復興フェーズに合わせて数量限定の軽食程度に留め、メインとなる飲食物については、現地の飲食店やキッチンカーによる販売で利益を上げていただこうと、ボランティアのみなさまともども、サポートに回る方式にシフトされました。

イベントの開催は、珠洲市のみなさまをはじめとした、地元の方の力がなければできないことでした。

城本さんが印象的に感じたのは、炊き出しやステージイベントよりも、打ち上げ花火に対してたくさんの子どもたちが集まったことだそうです。

会場に集まった子どもたち 提供:城本さん

「支援者の方から頂いたMriya(ムリーヤ)の幟(のぼり)に、子どもが本当に楽しそうにお絵描きしているの見てたら、この子たちのためにもっと何かしなければと思いました。

商売であったり、祭りであったりと様々なことがこれからは必要です。

これからは、市民の力で行政を支えていくフェーズにはいっていきます。なんとか踏ん張っていただきたいです。

だからこそ、これからの復興のため、大人たちがこの花火をきっかけに、もう一度新たな試みをしてくれることを願ってたくさんの花火を打ち上げました」

集まった子どもたちの歓声が、イベントに参加された方の花火の動画からも伺えます。「祭り」の文化が色濃い能登において、花火は本当に特別なものなのです。

打ち上げ花火の様子 提供:城本さん

「楽しみや癒し、鎮魂をを目的とした方が犠牲者の方への弔いになるのかな」、奥能登地震・奥能登豪雨の二重の被害を目の当たりにしてきた城本さんはイベントをこのように振り返りました。

関わり方やかたちを変えても、能登への支援はこれからも続けられていきます。