ニュースは今後、拡充するか?

 ニュースコンテンツの拡充については、どのようにお考えですか?

蜷川 難しいですね。ニュースは、僕らが取材するわけではないので、基本的にキュレーション(注)することになります。僕らがファクトチェックや価値付けをできるのか。それができているからYahoo!トピックスはすごいわけです。僕らがもし同じことをやるとすると、大幅な体制強化が必要と思います。

(注)キュレーション…インターネット上の情報を収集し整理すること

 でもネットで信頼できるニュースの必要性が高まっています。TVerに期待する声もありますね。

蜷川 1年前の能登地震のような災害が起きた場合、情報源としてのTVerも重要になってきています。24時間ニュースを開けていて、何が起こっているかは見てもらえればわかる状況は作りたい。局ごと、サービスプロバイダーごとにまとまって出していく方向性になると思います。

戦略的にも、3年ぐらい前まではドラマが圧倒的中心のサイトだったし、ここ1年でバラエティが伸びてきて、公共性を鑑みると、ニュース・報道は今後、より一層注力していきたい。ローカル局の発信も、報道ならできることが多いと思います。

ローカル局の番組はどうプッシュするか

 ローカル局のコンテンツについては、現状どうなっていますか?

蜷川 だいぶ増えてきました。直接参入してくださっている局もすごく増えています。ローカル局に直接アップロードできる仕組みを作ったので、出そうと思えば出せる状況になってきました。

 ローカルコンテンツを探しやすく、注目度を上げる必要があると思いますが。

蜷川 これから、コンテンツのレコメンドの仕方をもっといろんな意味で考えていかなければと思っています。お住まいの県を登録していただければその地域のニュースが基本的には出るとか、登録しなくてもIPなどを使ってレコメンドをかけていくことは、個人情報に配慮しながらも、技術的には可能だと思っています。

TVer提供の「県別の平均再生数ランキング」。TVerはローカル局エリアで視聴されている。