“1000年後のアンドロイドは柔らかい印象”に

 去年2月、石黒教授は東京にいました。万博で使われるアンドロイドの仕上がりを確認するためです。石黒教授は眼球や舌が上下に動く様子をチェックします。

 6か月間万博会場で動かすため、アンドロイドの耐久性を高めました。担当者は人間の表情や動きをどのアンドロイドでも同じように再現することに苦労したといいます。

 (アンドロイドを製作した「エーラボ」 廣嶋まいさん)「3体を全く同じ動作にしなければいけないのが初めての取り組みで、例えば、口角の引き具合とかは同じ信号を送っても同じように動作するかはやってみないとわからないところがあり、3体を並べて調整したのが大変でした」
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 (石黒浩教授)「コンピューターのプログラムで動かせばめちゃめちゃなめらかに動きます。今度は万博のシナリオに合わせてみんなが感動できるような動きを作ることができたらと思います」

 アンドロイドの動きとともに重要になってくるのが「未来の世界観」です。石黒浩教授は、プロジェクトに参加するファッションやロボットデザインの専門家らと、1000年後の人間とアンドロイドが融合した世界をパビリオンでどう表現するのか話し合います。

 【話し合いの様子】
 (石黒浩教授)「未来の人間って浮遊するというか重力から解放されてるっていう感じが出るので、『空の人魚』みたいな感じで思われる方がいいかなと」
 (1000年後のアンドロイドの衣装担当・廣川玉枝さん)「やっぱり1000年先は柔らさの印象を与えるのが一番いいかなと。20世紀的なロボットとかアンドロイドは硬い外皮で包まれていて、柔らかい印象はまったくない」
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 廣川さんに今回のプロジェクトについて聞くと…

 (廣川玉枝さん)「もちろんアンドロイドの服を作ったことがないので、そういった部分ではひとつの挑戦。やりがいもあるというか、今までになかったことなので自分も学びながら作っている」