まもなく開幕する大阪・関西万博。ロボット工学の第一人者である大阪大学の石黒浩教授がプロデュースするのが、『いのちの未来』というパビリオンです。50年後は「アンドロイド」が人の暮らしを支えている、といった未来を描く石黒教授。その展示内容は…。1年以上にわたって取材したパビリオン完成までの舞台裏に迫ります。
石黒浩教授 アンドロイドが暮らしを支える未来を万博で描く
真っ黒な外装が存在感を放つ、パビリオン『いのちの未来』。壁には「いのちの起源」を表す水が流れています。大阪大学の石黒浩教授はロボット工学の第一人者で、このパビリオンのプロジェクトチームを率いてきました。
(大阪大学 石黒浩教授)「(水を)止めると水滴が網についてキラキラしてきれいです。きれいに流れていると思います。悪くない。建物自体は去年10月半ばに出来上がっているので見慣れた風景になっている」
MBSが取材を始めたのは約1年半前。おととし10月、京都府の山中でパビリオンの試作が行われていました。
(石黒浩教授)「(パビリオン制作を)引き受けるか考える時期がありましたが、考えている間にコロナが来て、コロナが来ても開催できるようなパビリオン、リアルもバーチャルもちゃんとやってそこにいろんな人が集まれるような仕組みを取り入れた万博ができればなと思った」
石黒教授は人間と関わる「アンドロイド」の研究が専門です。石黒教授とそっくりのアンドロイド「ジェミノイドHI-6」に記者が話しかけると…
(記者)「万博ではどんなことを伝えたいですか?」
(ジェミノイドHI-6)「万博では科学技術の進化により未来の人間の姿や社会の変化を具体的に体感してもらい、来場者に未来に向けた夢を持ってもらいたいです」
万博では様々な場面でアンドロイドが暮らしを支える50年後の社会や、1000年後の“いのち”について考えてもらえる展示をすることに決めました。