世界、特にアジアでスポーツファンの拡大を目指す

―――東京に長く住まれていましたが、関西はいかがですか?
経済も観光もポテンシャルがあると思います。私は東京に30年ほどいたので関西に来て6年目ですが、大阪・関西万博もありますし、もっと発揮できる要素があるんじゃないかなと思っています。阪神タイガースなんてすごいじゃないですか。東京にいる時は知らなかったですが、「タイガース熱はこんなにすごいんだ」と思ったし、そういう意味ではサッカーやバレーボール、バスケットボール、ラグビーと、いろんなスポーツの分野でポテンシャルが花開かせられるんじゃないかなと思っています。
―――久保田さんの夢は何でしょうか?
スポーツがちゃんとした産業になるということですね。サステナブルにするのが私の何よりの夢というか目標ですね。これからは日本だけじゃなくて世界、特にアジアの皆さまと一緒に盛り上げていきたいと思っています。スポーツってアメリカとか、サッカーは欧州などと偏りがあると思いますが、アジアがこれからの主役になれる可能性がありますので、みなさんと一緒に盛り上げていけるんじゃないかと思います。アニメや漫画、代表選手の活躍で東南アジアを中心に日本のバレーボールの熱狂的なファンが増えていて、2023年からはタイで試合を開催しています。
―――最後に、久保田社長が考えるリーダーとは?
ビジョンを明確に掲げること。そしてそれを共有ではなくて共感の域まで深めていくということ。その上でみんなと一緒にビジョンを前に進めていくことがリーダーの役割だと思います。
■パナソニック スポーツ
パナソニックとスポーツの関わりは、創業2年後の1920年(大正9年)に結成した社員の親睦会「歩一会」が始まり。「会社の発展には、全員が心を一つにすべき」であると創業者・松下幸之助が起こした歩一会は、運動会、レクリエーション活動、文化活動などを積極的に行う。2022年4月、スポーツマネジメント推進室が事業会社化、スポーツをコンテンツとする専門企業「パナソニック スポーツ」が誕生。サッカー「ガンバ大阪」、ラグビー「埼玉パナソニックワイルドナイツ」、バレーボール「大阪ブルテオン」、野球「パナソニック野球部」、陸上「パナソニック女子陸上競技部」の5チームを統合運営するとともにスポーツ関連の新事業を手がける。
■久保田剛
1968年香川県高松市生まれ。明治大学政治経済学部卒。テレビ制作会社などを経て、2019年パナソニック入社。企業スポーツセンター所長、スポーツマネジメント推進室長などを歴任。2022年「パナソニック スポーツ」設立に伴い社長就任。
※このインタビュー記事は、毎月第2日曜日のあさ5時30分から放送している『ザ・リーダー』をもとに再構成しました。『ザ・リーダー』は、毎回ひとりのリーダーに焦点をあて、その人間像をインタビューや映像で描きだすドキュメンタリー番組です。