■焼酎メーカーがクラフトビール製造「地域の活性化につなげたい」
大分県豊後大野市千歳町の「藤居醸造」。1929年の創業以来、看板商品「泰明」をはじめ、麦焼酎を専門に製造してきました。

(藤居醸造・藤居淳一郎社長)「焼酎との大きな違いは焼酎は30度ぐらいで温度管理するが、クラフトビールは20度そして1度と低い温度で管理するのが特徴」
先月、オリジナルのクラフトビールを楽しめるビール園「フジイブルワリー」を開設しました。

(藤居醸造・藤居淳一郎社長)「若者のアルコール離れをまず低アルコールのクラフトビールを飲んでもらってそれから焼酎につなげる」
焼酎の売り上げが厳しくなるなか、藤居社長は同じ大麦を使って幅広い世代に好まれているビールに着目。福岡にある醸造所で半年以上、修業を積み、開発にこぎつけました。完成したビールは「ペールエール」、「IPA」、「ラガー」の3種類。かつてこの場所が「井田村」という地名だったことがブランド名の由来です。

今月10日、藤居醸造に団体客が初めて訪れ、ビール工場と焼酎蔵を見学したあと、ビール園でこだわりの一杯を楽しみました。

(訪れた人)「コクがすごくあっておいしい」「ビールの方が度数が低くてとっつきやすいので、かなりおいしいものになっていていいと思う」
藤居社長はクラフトビールを通じて本業の焼酎の文化を後世に残し、過疎化が進む地元の活性化にも一役買おうと意気込んでいます。
(藤居醸造・藤居淳一郎社長)「地域の拠点になればいいのでここでミニコンサートや落語会を開き、楽しみながらクラフトビールを飲んでもらえる場所にしていきたい」

地域の特色を生かしつつ作り手の思いもたっぷり詰まったクラフトビール。その人気は個性豊かな香りとともにさらに広がりをみせそうです。