「円安続けば関税を…」日本も標的に?

小笠原 亘キャスター:
日本側の対応は果たしてどうなっていくのでしょうか?

加谷さんによりますと、「アメリカは日本がどんな提案を持ってくるのか様子見をしている状況」だといいます。

トランプ大統領は3日、「日本の指導者に電話して『自国通貨の切り下げを続けてはならない』と伝えた」と話しています。現在の円安・ドル高に非常に懸念を抱いていて、「我々は関税で埋め合わせをする」とも発言をしています。

加谷さん:
これに関しては、トランプ大統領が本当に為替の変動を求めているのか、はっきりわからないため、アメリカの真意をよく考えた上で日本は対応を決めないといけません。

井上貴博キャスター:
日本としては自国通貨の切り下げなんて全くしていません。むしろ円安を是正するために、円安への介入を続けてきました。しかし、日本のせいにされています。

これは裏を返すと、日本も円安が続いてこれだけ物価高になってるので、トランプ大統領がこういったことを言ってくれたので、これで円高になることも考えられるのでしょうか?

加谷さん:
不景気になるリスクがありますが、円高になると物価は下がります。物価が下がる点においてはかなり朗報かもしれないです。

ただ、アメリカから見ると日本は大規模緩和策をまだ続けているので、意図的に円安にしているように見えています。

なので、日銀の金融政策の転換・利上げを本格的にやるというメッセージを出せば、少し印象が変わってくるかもしれませんし、実際に円高になり物価も落ち着く可能性はあります。

ホラン千秋キャスター:
円高に振れたとしても、多くのことが不透明のなか、本当に円高で安定するのか、企業側もすぐに物価を下げる判断を出すのが難しいですよね?

萩谷麻衣子 弁護士:
本当に全てが不透明だと思います。トランプ大統領は、関税を武器に考えているのでしょうか?

加谷さん:
かなり自国に不利なことをやっていると思いますが、アメリカの現状の政治を見ると、そんなことよりも外国に自国の富が流出することを感情的にすごく嫌がっていて、それがまだ支持されている状況で、政治的な色合いが非常に強い印象です。これに関しては、当分の間は続きそうに感じます。

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<プロフィール>
加谷珪一さん
経済評論家
元日経BP記者
著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も

萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当