野球人生を大きく変えたデビュー戦
屈辱とプレッシャー。そんな感情が入り混じる中、迎えた2001年4月2日(現地時間)のメジャーデビュー戦。アスレチックスを相手に、まずはライトの守備についたイチロー。

イチロー:ヒットが出なければどんどん苦しくなるのはわかっていたことなんで、守備で怖さはないんで。
記者:それは最初に限った話?じゃなくてずっと?
イチロー:最初です。最初が特に。これが一歩になるんで。全ての始まりですから。そのときは、守備よりも打つ方が心配だったんでしょうね。
記者:1回の表が終わって戻ってきて、打席に向かうまで?
イチロー:そう。そこは怖さがあった。
その不安は現実に。メジャー初打席は二ゴロ、第2打席は一ゴロ、3打席は空振り三振と凡退が続いた。
イチロー:あれだけボールを動かして高いところに投げてくれない。全部膝から下で3打席凡退。
先発ハドソンに完全に抑え込まれていた中、ハドソンは5回98球で交代となり、第4打席を迎えたイチロー。代わったTJ・マシューズを相手に、打球はゴロでセンターに抜け、“メジャー初安打”を記録。記念すべき一打となった。
イチロー:アメリカは本当に100球で代えるんだって、びっくりしたし、ピッチャー代わって、僕がセンターに抜けるヒット。あれ、ハドソンだったらおそらく5打席凡退でしょ。(後の野球人生が)大きく変わったかもしれないですよね。あの1試合で。