楽しいことも3倍、4倍に

サークルを立ち上げたのは、大分市在住の田中舞さん。自身も三つ子を育てています。

田中さん:
「いきなり3人生まれたので授乳もお風呂もミルクも大変でした。ずっと泣いている三つ子と一緒に泣いたこともたくさんありましたし、今は『あの頃大変だったね』と話せるんですけどね」

「子どもたちが小学3年生になり、今は1人が宿題を始めたらみんながやってくれて…あの頃に比べたら比べものにならないし、お手伝いもいっぱいしてくれます」

サークルでは大分県内130人の当事者の声を集め、体験談としてまとめた冊子も作成。便利グッズの紹介のほか、第三者の協力やサポートの必要性について掲載しています。そして、多胎妊婦の出産を多く取り扱う県立病院に寄贈しました。

田中さん:
「家族以外の周りの人のサポートもありますので、仲間がいるんだっていうことをわかってもらえたらなと思います」

大分県立病院 佐藤昌司院長:
「産婦人科の医会でも多胎のお母さんのサポートは非常に重要視しています。引き続き手助けさせていただければと思っていますし、もちろんこの冊子も置きます」

一方、3歳の双子を育てる緒方さんは、忙しい日々の中でもピアサポーターとして、大分県の多胎妊産婦訪問支援事業に協力しています。

緒方さん:
「大変なことばかりじゃなくて、楽しいことやかわいいことが3倍、4倍あります。自然と『かわいいね』って出てくる感じです」

多胎育児の不安を軽減し子育てを楽しんでほしい――当事者同士で共感し支え合う取り組みが少しずつ広がっています。