山の中腹で吸収されて、末端には入らない…

一方、備蓄米の放出を富山県内のコメの卸売り業者はどう見ているのでしょうか。

大門食糧 米澤治夫 社長
「備蓄米として放出されるということは私は一人のコメ屋として非常にうれしいことです。(値段は)若干下がります。なぜかというと農協や大手が東京市場、大阪市場には買いに入らないからです。備蓄米が入ったおかげで」

大門食糧の米澤治夫社長は備蓄米の放出でコメの流通量が増え、値段が多少下がるとみています。

一方で、今回のコメの入札に参加できるのは年間の仕入量5000トン以上の大規模な集荷業者だけで、米澤社長は都市部では流通するものの、地方に「備蓄米が行き届かないのでは」と危惧します。

大門食糧 米澤治夫 社長
「山の頂上から放出米を流すよと言われて5000トン以上の人たちは全部山の中腹以上にいるわけですから。ここで全部お米が吸収されてしまってわれわれ末端の業者には全然入って来ない。富山県にも100軒以上のコメ屋がいるけどそこには行き届かないんですよ」

大門食糧では、生産者からのコメの仕入れ価格は値上がりが続いていて、そのため、スーパーなどへの卸売価格も値上げせざるを得ず、苦しい状況が続いています。

大門食糧 米澤治夫 社長
「30万トン、40万トンほど出さなければ我々の所には回ってこないですね。だから末端の業者まで広くいきわたるような備蓄米の放出をしていただきたいなというのが我々お米屋さんと消費者の願いでもありますね」