「中小企業との格差」「上の世代の働く意欲が下がる」
一方、こうした動きによって、大企業と中小企業の“賃金格差”が広がるという点も。中小企業は賃上げできない・人手不足と苦しい状況ですが、日本の全企業の99.7%は中小企業で、全従業員のうち中小企業で働く人の割合は69.7%を占めます(※総務省より・2021年)。
また、大企業の中でも、若手の給料が高いと上の世代のやる気がなくなるといった“ねじれ”が発生します。
そこで必要となってくるのが、「人事制度全体の見直し」です。
りそな総研・荒木主席研究員によりますと、日本の会社が取り入れてきた『年功序列』は悪い面ばかりではなく、長年の勤務による“目に見えないスキル”が年々ついてきて、組織に貢献することもあるといいます。そこで、年功序列と成果主義を組み合わせた日本独自の“ハイブリッド(組み合わせ)制度”が必要なのではないかということです。