「初めてもらったのは期限がきれたおにぎり」
ある日、突然、見ず知らずの人たちと一つ屋根の下で共同生活を送る避難所での暮らし。みんなが生きるために必死でした。
(食料を配る人)
「小さい子おる?お年寄りと子どもさんだけね」
「ちょっと待った!待て!ストップ。ストップ。押したらあかんで。押したらあかん」
震災が起きた日、神戸市内の小学校で配られた食事は1人1枚の食パンのみ。満足な支援物資が、すぐには行き渡らなかったのです。
私たちは今回、30年前に避難所で暮らした男性に話をきくことができました。
(避難所で生活 神生善美さん)「初めてもらったのがおにぎり。ひとつを2人でわけて。それも期限のきれたやつ」
神生善美さん(75)。自宅が全焼し藁にもすがる思いで向かったのは、神戸市須磨区の鷹取中学校でした。
(神生善美さん)「体育館に行ったら、まだスペースがあった。知り合いがいたから『これだけスペースあけといて』と頼んで、一旦家のほうへ帰って、そこら辺うろうろして、夕方に戻ってきたら半畳か一畳くらいしか(スペースが)残っていなかった。それだけいっぱいになった」