温泉宿再生の「大江戸温泉物語」 経営統合も…4タイプの宿で拡大
――複数ブランド戦略の狙いは?
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
客の選択肢を増やすということ。宿泊客の「もっとゆったりしたい」という要望をTAOYAブランドで実現させた。若干ゆったり作ることで収容人数も減る。面積あたりの収容人数が減ると少し料金を上げないと同じ利益水準にならないので、宿泊料金を若干上げさせてもらう。
――それでも十分安い。
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
「同じグレードの宿で比べたら安い」ということは、我々の戦略としてやっている。
――物価が上がってきたから、価格を高くしたブランドを作ったのではないということか。
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
全くそうではない。客の選択肢を作っていく過程で結果的にそうなった。(高価格化について)心配させない。必ずスタンダードタイプの宿はある。(スタンダードが)ベースであって、一番の出発地なので大切にしていきたい。
――12月の平日でも客がいるが、足元客室稼働率はどうか。

大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
おかげさまで、コロナ後以降、年間の平均稼働は75%以上まで順調に回復傾向にある。(温泉宿)業界だと平均40%や50%だと思うので、高いのではないか。
――客室稼働率が高い理由は?
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
平日も1万円近くまで値段を落として、安くなるところが一番大きな理由だと思う。
――インバウンド景気によって、宿泊費高騰の現状があるが、興味はないのか。

大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長:
あまり興味ない。やはり日本人に一年に何度も旅行してほしいというのが我々の精神。とにかく日本人客が年に何度も旅行してもらえるようにやっていきたい。そのためには宿泊料金を少しでも安くしていく。

大江戸温泉物語は2024年、さらなる成長の一手を打った。さらなる拡大に向け、西日本を中心に29の温泉宿を展開する「湯快リゾート」と経営統合した。

そして、11月に「大江戸温泉物語」にブランドを統合したことで、全国に67施設を展開する国内最大級の温泉宿グループが誕生した。

スタンダードクラスの大江戸温泉物語・志摩彩朝楽は、以前は湯快リゾートとして営業していたホテル。志摩彩朝楽の支配人、宮田浩さんは「西日本エリアだけではなく、日本全国で『志摩彩朝楽』という名前が知れ渡ったということで、非常にメリットがあった。関東からのお客様が非常に増えている」と話す。














