ネットショッピング感覚で子どもを支援「理不尽を補正したい」
「お腹を空かせている子どもを支援したい」と思っても、どういうアクションを起こしたらいいのか。お金の寄付とは違った方法を本業の延長で提案している企業があります。
LINEヤフー株式会社では、Yahoo!ショッピングで購入した商品を支援したい団体に贈れる「買って応援便」を2023年11月から始めました。Yahoo!ショッピングというネットショップと20年の実績があるYahoo!募金の2つの仕組みを融合させたサービスで、応援する団体を「子ども支援」「動物支援」「災害支援」の3つのカテゴリーに分け、支援を希望する団体が必要としている物品を掲載しています。そこからユーザーが商品を買うと、その品物が団体に配送される「代理購入」というシステムで、ネットショッピング感覚で支援ができます。
この事業の発起人として立ち上げのきっかけを作ったLINEヤフー株式会社執行役員サステナビリティ推進統括本部長の西田修一さんは、「買って応援便」の特徴は「寄付の手触り感」にあると説明します。物品の寄付はそれがどのように役立っているのかが想像しやすい、例えば米を贈るとそれを食べている子どもの姿が浮かぶといったもので、それは寄付した側の喜びにつながりやすいと考えました。
このサービスを推進する原動力はどこにあるのか。西田さんは大前提としてCSR(企業活動において社会的公正や環境などに配慮する義務)があるとしながら、そこに「想い」があることが必ず必要だと話します。西田さんの思いは「理不尽を補正したい」というもので、自分が選んだわけではない境遇に置かれてしまっている「理不尽」も、誰かがちょっとしたアクションを起こすことで少しだけでも補正されれば、それが喜びだと語りました。
キッズドアには「買って応援便」を通じて寄贈された米が8月から12月までの間に63袋(5kg)届いていて、ある程度まとまった量になったら登録家庭へ送付されます。