資生堂と第一生命グループは後半区間の選手の踏ん張りが必要
資生堂はパリ五輪代表の2人、五島を3区、高島を4区に配置した。パリ五輪マラソン代表の一山麻緒(27)が5区。1区を新人で秋に5000mの自己新を出した風間歩佳(23)に任せ、2区に毎年この区間を区間上位で走っている井手彩乃(25)を起用。風間の成長を考えれば1、2区をこの2人に任せ、3区の五島でトップに立つ。そのレースプランは予想できた。
だが前回5区区間賞の高島の4区には驚かされた。前回4区区間賞のジュディ・ジェプングティチ(21)がエントリーできなかったからだが、一山が秋の5000mでは不調だっただけに、4区で逆転されても5区の高島で再逆転する布陣を組むと思われた。
青野宰明監督(43)は区間配置の理由を次のように話した。「一山が5区を走れる目途が立ったからです。1区の風間は上りが得意なことが1区起用の決め手です。理想は区間トップですが20秒以内では持って来てもらいたい。絶好調の五島でトップに立てば、4区でさらに差を広げられます」。
4区で差を広げ、そのリードを5区の一山が積水化学の新谷から逃げ切れるか。後半区間選手たちの踏ん張りが重要になる。
第一生命グループは2区の樋口ほのか(19)が今季の成長株だが、実績では積水化学の山本、資生堂の井手、JP日本郵政グループの牛佳慧(24)らに比べると劣る。樋口がプレッシャーを感じないためにも、1区の鈴木優花に区間賞か区間上位の走りが必要だ。2区終了時に20程度の差なら、今の小海はトップに追いつくことも可能だろう。
鈴木が会見で、自身と小海の区間配置について次のように話していた。「私は当初から1、3、5区のどの区間でもいいと言っていました。遥ちゃんが1区に行くのがいいか、3区に行くのがいいかを考えたとき、遥ちゃんが10.6kmの3区に行った方が10000mで培った力を発揮できます。その方が組み合わせとしては理にかなっているというか。私のスピードが1区でどこまで通用するかわかりませんが、今までマラソンは走れても駅伝は走れていなかったので、1区でチームを勢いづける走りをしっかりしたいと思います」。
早瀬浩二監督も「小海のブレイクスルーを期待している」と言う。「小海がノビノビ走れる位置で1、2区をつないでくれたら、小海も殻を破るチャンスになると思います」。
鈴木と早瀬監督の言葉からも、今の小海は力がついていることがわかる。昨年距離が変更された区間で、前回区間賞の廣中の33分04秒が区間記録だが、小海には区間新記録でトップに立つことが期待できそうだ。
第一生命グループも課題は4区以降になる。21年大会でエース区間の3区を走った原田紋里(26)や、昨年2区区間4位の櫻川響晶(22)、前回5区区間9位の飛田凜香(23)が起用できなかった。4区は名城大時代に大学女子駅伝で活躍した増渕祐香(22)、5区に1区を多く任されてきた出水田眞紀(28)、6区に松本奈々(24)が起用された。「出水田はもともとハーフマラソンまで走れる選手です。増渕はスピードというより、走力自体がある。日本郵政や天満屋のマラソン選手が、2区や4区の短い区間でも区間賞を取ったり区間上位で走ったりしていますが、増渕にも同じように期待しています。出水田の5区で1、3、5区が決まったとき、チーム内の10番手くらいまで良い状態だったので、2、4、6区を育てられると感じました。最後はふるいにかけるなかで、今回の3人が勝ち抜いてくれた。大学駅伝みたいに若い選手が育ってくるチームになることも理想の形の1つです。自信を持って送り出せます」。
第一生命グループがチームとして活性化されていることは、
こちらの記事(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1567101)で紹介した。
後半区間の選手が踏ん張れば、目標としている3位以内を実現できる。