■「村社会」がどうなっていくか
ホラン千秋キャスター:
若新さんは8日に発表されたこの調査結果についてどのような印象を持たれましたか。
若新雄純 慶応大学准教授:
僕は今回の件、政党という「村社会」がどうなっていくかということに関して、すごく面白いケーススタディーだと思ってるんです。
村人の多くが、「どうやらちょっとやっちゃいけないことをしていたらしい」が、まだそれが世の中に明らかになる前に、自分だけがやったと名乗り出ると、村の中で損をする。
そして村長も、まだそれが世の中に明らかになってない前に、堂々と「みんな悪いことしたんだからしっかり謝ろう」と言わずに、他にもっと大きな問題があったり、あるいはみんなが忘れてくれる可能性もあるから、ちょっとずつしか明らかにしない。
ちょっとずつしか明らかにせず、村人を守ってるつもりが、結局ズルズルズルズルいって、「あの人もこんなことしてた」「この人はこんなことしてた」となる。
誰かが「自分も悪かったんです」って言い出すと「私もそろそろ言わなきゃいけないか」とか、「あの人も謝ったんだから自分も言うか」って言って、結局最後の最後まで引きずると思うんです。
だったら早い段階で、村長が「みんなが悪いことをやった」と認めて、ある時点でしっかり罰して変えていこうって言えればよかったと思うんです。それは後から後悔して思うことだと思うんです。
本当だったらそれがベストなはずなんだけど、みんなお互いに様子見で、みんなが謝り出したら、結局自分も謝ろうってなって、それにこの自民党という組織が、今回どれぐらいちゃんと耐えられるのか、そして国民の信頼を失ってしまわないのか。そこにすごい関心がありますね。
